患者のモンスター化への対処

患者にとって最も身近な看護師は、クレームをつける対象としてもよく選ばれてしまう。モンスター化が大きな問題となって久しい状況にあり、恐怖の対象となっているのは確かだ。それほど頻繁に起こることではなくても、一度勤務先でモンスター化した患者が見られたら、いつ自分にクレームが降りかかってくるかわからないという懸念が生まれるのは仕方ないことなのかもしれない。

しかし、病院の運営者としては、それにめげずに働いてくれるようにしなければならないため、クレームに対する適切な対応の仕方に取り組む活動も行われるようになってきた。基本的な例としては、多くの職場で行われているのが接遇に関する教育だ。

基本的には聞くことに徹して、身の危険を感じたら逃げるように指導する。職場側としてはモンスター患者から貴重な人材を守ることは重要であり、クレームを聞いても収まらないときには、管理職などに応対してもらい、逃げても良いと指導せざるをえないのだ。

一方、大きな病院になるとさらに効果的な対処が行われるようになってきている。欧米では患者のモンスター化による看護師への被害が大きな問題となっているため、警備員を配置するという方策が取られているようだ。これを見習って警備員を設置し、モンスター化が問題になったときには、速やかに対応するという仕組みを取り入れているそうだ。
このような環境は、看護師として安心して働ける。ただでさえハードな仕事を任されている看護師にとっては、不安なく仕事に専念できることは重要であり、この点に着目して職場を選ぶ人すらいるのが実情なのだ。